転入試験

世界で活躍する先輩達

北嶺で学んだ先輩達はまさにグローバルな活躍をしています。

それを知ってもらい、後輩達にも将来、世界中で活躍してもらいたいと思います。

山口 知也さん (8期 東京外国語大学卒 コスタリカ日本大使館一等書記官)
コスタリカのテレビ番組で日本の文化を紹介する山口さん

 これまでスペイン、ベネズエラ、コスタリカで8年間働いてきた中で、どの国でもよく聞かれる質問がいくつかあります。「日本と中国の違いは何ですか?」誰でもわかるように見えますが、地球の裏側にある中南米には日本人があまりいないので、意外とわからない人が多いのです。中には、日本人はまだサムライ、ゲイシャだと本気で思っている人もいます。でも無理もない話で、日本でも、ブラジルとメキシコの違いを言える人は少ないでしょう。地域や国が違えば文化も違い、考え方も全然違います。わかっているつもりでも、実際に行ってみると思っていた以上に違うものです。隣の中国や韓国のことさえ、私たちはテレビを通してしか知らないことが多いですね。

もう一つ質問。「日本人の宗教は何ですか?」これもよく外国人によく聞かれますが、未だに私はこれに答えられません。仏教なのか神道なのか、でも実はどちらの宗教もよくわからない。外国人から日本のことを聞かれると、自分が日本のことにあまりにも無知だったことに気づかされます。「日本人が時間に厳しいのはなぜ?」「日本人は高齢者を敬うって本当?」「日本人は電車に乗るときなぜ走るの?」これらの質問に皆さんはどれだけ答えられますか。

日本の外に出ると、外国のことだけでなく、日本そのものについても学ぶ機会があります。その中で、日本人的な考え方や生き方が「唯一」のものではないことに気が付き、色々な生き方の中から自分に合ったものを選ぶための選択肢が増えます。まずは外に出てみませんか。違う言語、違う考え方、違う生き方を見るのはおもしろいものです。

坂井 浩介さん (9期 東京大学卒 三菱商事)

オーストラリアでの勤務がすでに7年になる坂井さん

 

 

 大学卒業後、世界で働く舞台を求めて、総合商社に入社し、現在オーストラリアのブリスベンという都市に駐在し、製鉄原料の石炭(原料炭)資源の投資ビジネスに携わっています。帰国子女ではない自分が、日々、オフィスで一緒に働く現地採用の同僚社員、資源メジャーのパートナーと英語で議論するという姿は高校時代には想像もしていませんでした。

振り返って考えてみると、世界の舞台で働きたいという希望を持ったのは、北嶺での英語授業が一つのきっかけだったと思います。通常の座学の読み・書きの授業だけではなく、ネイティブの先生による会話中心の授業、カナダ・アメリカでの2週間の語学研修と、受験のための英語だけではなく、世界を垣間見れる体験をさせてもらいました。グローバルな世界で政府も企業も競争することが求められている中、受験のためだけではなく、将来を見据えて真摯に指導して下さった北嶺の先生方にはとても感謝しています。

吉田 晋太郎さん (9期 東京工業大学卒 丸紅)
中国・青島の製紙会社で商談を行う吉田さん(右から2番目)

 北嶺の国際色豊かな授業や教育方針が私の人生に大きく影響しています。まるで世界各国を飛び周った様な感覚にしてくれるダイナミックな地理の授業やネイティブの先生による英語の授業。「コスモポリタンになれ」と生物の先生がおっしゃっていた事を今でもよく覚えています。

また、北嶺の一大イベント修学旅行で異文化に直に触れた事は非常に刺激的でした。たった2週間ですが、帰国後に「海外を舞台に仕事がしたい、海外に住みたい。」漠然とそう思う様になりました。その思いは大学でも変わらず、総合商社で働く事を選びました。

現在、私はチップ・パルプ部に所属し、パルプの輸出と三国間ビジネスを担当しています。輸出は日本のパルプを中国とマレーシアへ販売、三国間はインドネシアのパルプをインドネシア国内、マレーシア、タイ、フィリピン、ベトナムに販売しています。販売顧客が全て海外である為、月の半分以上は海外で過ごしています。言語・文化・ビジネス習慣が違う客先にパルプを販売する事は、決して簡単ではありませんが、やりがいがあり、充実しています。

丸紅で吉田さん(左端)と同じ部署で働いている15期の土井川さん(東大卒)(右端) ※100km駅伝に参加した時の写真


最後に、北嶺ファミリーは皆非常に仲が良く、今でも同級生と食事をしたり、学年を超えて集まりフットサルしたりする事もあります。仕事のきっかけや友人に至るまで北嶺で得た貴重な財産に感謝しています。

有川 拓さん (10期 東京大学卒 三井物産)
有川さんとエジプトの三井物産現地エージェントの方

 私が北嶺で学んだことは、自分が個性的に生きることの大切さ、そして個性的な人から学ぶことの大切さです。

我々の代である10期生には今思い返しても本当にいろいろな同級生がいました。そして皆がその個性を自由に発揮していたと思います。そんな多様な同級生といろいろな場面で一緒に濃密な6年間を過ごす環境は素晴らしいものでした。北嶺での生活の中でいろいろな人に興味を持ち、自分も興味を持ってもらいたいという気持ちが強くなりました。加えて出来るだけ自分の知らない世界に飛び込んで、そこの住人と話す楽しさを学んだのも北嶺でした。理系命だった私が学園祭でのストリートダンスをきっかけに、大学では生活の殆どをダンスの仲間たちと過ごすことになったのも北嶺でのそういった経験が背景にあると思っています。自分と異なる人たちと仲良くなりたい、仕事がしたいという思いを持って就職活動をした結果、総合商社と呼ばれる職種の会社に入社しました。入社してからは中東とアフリカ向けの農薬の輸出を担当して日本の農薬メーカーと現地の農家を訪問し、現在は会社の制度で、ブラジルで勤務しており、鉄道のビジネスを担当しています。

 ブラジルは歴史的背景からインディオ、黒人、白人、アジア人(日系人が世界で一番多いのは日本から一番遠いブラジルです)が混在しており、世界の中でも特に多種多様な人が住んでいる国の一つです。自分が知らない分野で、自分が話したことの無い人たちと一緒に仕事が出来る総合商社という会社は、自分にとって非常に刺激が多くやりがいがある仕事です。

ブラジルのストリートダンスの仲間と有川さん


私見ですが、人間が最も成長するのは出来るだけ自分と違う人と会い、自分の考え方に出来るだけ大きな衝撃を受けた時だと思っています。その経験で考えが変わるのも良し、それでも自分の考えが正しいと思うのも良し、どちらにしろ自分自身を深くしてくれるのではないでしょうか。特に中高生時代のそういった経験はより一層自分を成長させてくれると思うので、北嶺時代はいろいろな事・人に興味を持って飛び込んでみたらどうかなと思います。

美甘 政門さん (14期 東京大学卒 JICA国際協力機構)
現地の事務次官の方と親交を深める美甘さん
「色々大変だけれど、明日は今日よりも楽しいって実感できる毎日さ。」私が駐在するアフリカ最大の国であるナイジェリア・ラゴス州で、タクシーの運転手さんから聞いた言葉です。直後に訪問した州の大臣にこの話をしたところ、「自分は様々な改革に取り組んでいて批判も多いが、少しでも役に立っているとわかりとてもうれしい」と目を赤くして喜んでいました。

私の仕事は、先の大臣のように国のため、国民のためを思って活動する開発途上国のリーダーたちをサポートすること、サポートするために日本政府の資金を活用して良いプロジェクトを形成し、それらをマネジメントすることです。20代で相手国の大臣や政府高官と話をすることは度胸がいりますし、また自身の専門分野外のことでもニーズがあれば同僚や専門家の力を借りつつ必死に勉強し、日本人代表として恥ずかしくない解決策を提案しなければいけません。めざす嶺が高すぎると思うこともありますが、つらいときは日本や世界各地で活躍する北嶺時代の友人たちの姿を胸に、負けるものかと、やりがいのある刺激的な日々を楽しく過ごしています。
植村 昂央さん (20期 東京大学→米国ブラウン大学 留学中)
ブラウン大学の留学生の仲間と楽しく過ごす植村さん

東京大学へ

 僕は高校2年のころから、将来は国際機関で働きたいと考えていました。国際機関で働くには、修士号が最低限必須であると聞き、日米の大学院を調べるうちに、自分の目的にかなうのは、アメリカの大学院に進学することだと気づきました。一方で、僕は帰国子女でもないので、日本の大学卒業後に、アメリカの大学院に行って果たして成功するのか、という不安がありました。そこで考えたのが、先にアメリカの大学に進学して、アメリカのアカデミックな環境で生き抜いていくためのスキルを身につけてから、大学院に挑戦するという進路でした。

しかし、日米の入試制度は大きく異なるため、アメリカの大学進学を選択すれば、北嶺での6年間の努力が報われないような気がしました。そこで、東大に入ることで、けじめをつけてからアメリカへ行こうと決意しました。そして、2011年に晴れて東大文1に合格しました。



ブラウン大学へ

 東大は本当に素晴らしい環境でしたが、2011年夏に米国の大学への編入を決めました。入試に必要なエッセイを書く中で、自分は教育に関心があることに気づきました。そこで、学部課程から教育を学ぶことができ、かつ、教育を様々な角度から学ぶことのできるブラウン大学を第一志望で出願し、2012年9月からの編入が認められました。



ブラウン大学で

 ブラウンでは、教育政策と経済を専攻しながら、教育を様々な角度から(社会学、心理学、経済学、比較教育学、政治学など)見ています。最終的に、教室の中でどのような変化が起こるのかを念頭に置きながら、政策としてのアプローチを検討しています。ブラウンでは、教育に関する知識のみならず、政策を考えるものとして、いかにして考えればよいのかを深く学べています。